東日本大震災で私たちがもらった中東地域からの贈り物

2015年は阪神淡路大震災から20年目の節目。
追悼の式典が行われ、当時の様子を含め震災特集のテレビ番組も放送されました。
当時、あまりの体験に口を開くことさえできなかった多くの方が、20年の時を経て、貴重なその体験を語り始めています。
世界中でさまざまな動揺が走り、人間社会への不信を煽るようなニュースがしきりに流されているいまこそ、私たちは大自然の猛威に立ち向かった人々の営為に耳を傾けるべきなのではないでしょうか。

日本人にとっては、その後の東日本大震災で見た自然の脅威も忘れ難いものです。
実際に被災された方の思いは推し量ることしかできませんが、被災しなかった人々もまた心に傷を負うほどの脅威でした。
そのような脅威にさなかにあって、日本は多くの国々から人道支援を受けました。
救助支援や物資面での救援、寄付金、励ましのメッセージ、勇気づけてくれる歌など、そうした支援によって私たち日本人はどれほど勇気づけられか分かりません。
実際に支援を受けた被災者の方だけでなく、恐ろしさにうつむいてしまった私たちの背中を押してくれたのは、そうした皆さんからの心からの支援だったのではないでしょうか。

東日本大震災当時、日本が受けた各国、地域からの緊急支援については、外務省のウェブサイトを見れば知ることができます。
外務省の発表によれば、163か国、地域及び43国際機関からの支援の申し出を受け、24の国と地域から緊急救助隊や医療支援チーム、復旧支援チームなどが到着して活動してくれました。
現在、混乱の激しい中東地域からも、イスラエルやトルコ、ヨルダン、サウジアラビア、イラン、カタールなどからさまざまな形で支援を受けています。

カタール国の基金からは、三陸地方の水産業を再活性化するための基金が援助され、それがいけす導入などの費用に活用されています。
アフガニスタンのゴール県では、震災被災者を支援するための募金箱が設置されました。
アラブ首長国連邦ではチャリティイベントなどが開催され、小学生による励ましのアルバムが届けられました。
イランでも各地でチャリティイベントが開催され、駐日イラン大使自ら被災地に赴いて被災者への食事の支援を行いました。
オマーンでもさまざまな支援イベントが行われ、多額の義援金を寄付してくれました。
クウェートからは子供たちが折った復興を祈る千羽鶴が届けられました。
サウジアラビアでは仮設住宅のLPガス料金の補助事業を開始しました。
こうした人々の善意の援助があってこそ、いまの私たちの生活があるのだと思います。

いま日本では、政府の人道支援策について国会で答弁がなされています。
2015年1月17日、エジプト訪問中の安倍首相は首都カイロで政策スピーチを行い、中東地域の平和と安定に向け、人道支援やインフラ整備などの非軍事分野に新たに25億ドルの支援を行うと発表しました。
しかしその後、日本人誘拐というテロ行為が発生したことで、そうした人道支援策の是非について問われています。
本国会がどういった形で決着するかはともかく、願わくば、そうした支援が本当にそれを必要としている人々の元に届いて欲しいものです。
私たち日本人が受けた恩を中東地域の人々にお返しして、それが平和へとつながっていくことを祈らずにはいられません。
中東地域の人々の心に真の平和が訪れ、それが世界の平和の礎となってくれることを願っています。